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​LCPに対応した品質管理手法

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品質管理手法における現状の課題

ソフトウェア開発の品質管理の手法、定量的な品質指標としてテスト密度・バグ密度を組み合わせて利用されているプロジェクトが多いかと思います。

しかし、昨今、開発方法が多様化し特にローコードやノーコード等といったツールはプログラムコード行数を用いた指標を利用するのは難しくなっています。また、上限値・下限値を定めた指標値での評価は、類似プロジェクト情報の入手が必要ですが、技術多様化によって、類似事例を揃えるのが厳しい状況にあると考えています。

2つの分析技術の活用

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現状の課題を解決するために当社が取り組んでいる、コード行数を用いないテストフェーズにおいての品質管理手法として、「観点カバレッジ」と「DDPモニタリング」という2つの分析技術を活用した手法について、紹介させて頂きます。

分析技術紹介の前にどの様な方向性でこの手法を使用するかですが、JISX0129-1における品質モデルの定義で、プロセス品質が内部品質、外部品質、利用時の品質に影響を与え依存しているとされております。このことからプロセス品質を上げるためには、プロセスを改善していく事が重要であると考え、その手段として、この手法を組み合わせ品質維持と開発速度を落とさない手法を目指します。

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観点カバレッジとは

観点カバレッジとは、テスト観点にテスト項目数、摘出バグ数を対応付けした表(表3)の事を指します。この観点カバレッジ表を用いることで、以下に示す事の確認及び活用ができます。

●テスト観点に対しての項目の有無、網羅性、偏りの確認

●摘出バグの偏り、観点漏れの確認

●異常値があった場合にテスト項目の妥当性や改善必要性の判断

テスト観点表_edited_edited.jpg

テスト観点にテスト項目数、バグ摘出数を対応付けてカバレッジ表作成

スクリーンショット 2023-03-08 142007_edited.jpg

より効果を高めるためにプロセス改善のモデルとして利用されるPDCAサイクルにテスト工程を当てはめ、これを回していく事でプロセスを改善しつつ品質を上げていきます。

スクリーンショット 2023-03-08 143543.png

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DDPモニタリングとは

DDPとは、Defect Detection Percentage(欠陥摘出率)の略称で、テストプロセスのバグ摘出能力を示し、すり抜けバグ(※1)が増えると値が下がる特徴を持っている品質評価技術になります。

スクリーンショット 2023-03-08 144224.png

DDPモニタリングとは、このDDPをグラフ等活用して、値の推移を観察していく事を指します。

DDPの変遷を観察していく事で、極端に値が降下した場合等、異常のあるプロセスを特定することができるので、異常検知のタイミングで改善策の検討・実行し品質改善を行っていきます。

このモニタリングから改善までの流れをOODAループというモデルに当てはめて進める事で、

発生した問題に対してより迅速な対応をしていきます。

スクリーンショット 2023-03-08 144605.png

品質の妥当性を判断する為の指標値としてDDPの評価閾値を予め定めておき、

この値をもって評価を行いプロセス品質の妥当性も併せて判断していきます。

評価閾値.png

​分析技術を組み合わせた品質管理手法について

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組み合わせ方と実施タイミングについて下図に示す通りで、確認対象のプロセスにおいて、そのフェーズ着手中は観点カバレッジ、以降フェーズではDDPモニタリングを用いる組み合わせ方で品質管理を行っていきます。

また、従来の各フェーズ終了時に綿密に確認した上で次フェーズに移るのではなく、各フェーズ完了後もモニタリングし、もし問題を見逃していたとしても以降フェーズで防ぐような方法をとり、確認に時間を掛け過ぎずに開発作業をスムーズに進めることも目指す手法になります。

スクリーンショット 2023-03-08 145954.png
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